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かんつりろーど

■■麗しの辣椒紅龍■■

投稿日時:2010/11/29(月) 17:27


アングリングファン編集部 “かんつりーろーど。”


もう10年以上前になるが、魚は魚でも釣りではなく、「熱帯魚」に入れ込んでいた時期がある。




「アロワナ」

というとアマゾン流域で銀色に輝く細長い巨体が飛翔する所謂「シルバーアロワナ」が有名だが、そちらも確かに熱帯魚としてはポピュラーで、人慣れもするので人気の高い魚だ。その魚体の形状などから「龍魚」などと呼称されることもある。

が…

1~2年しか熱中しなかったが、アロワナはアロワナでも、非常に危険な匂いのする種類がある。

それが「アジアアロワナ」だ。


現在は個体識別用のマイクロチップも当たり前になり、法律上問題のない希少種として扱われているが、80~90年代の前後はその辺がグレーゾーンに覆われる事も多く、税関で無理矢理幼魚を持ち込もうとして逮捕されるマニアや、裏取引等も多数あった魚だ。

インドネシア、タイ、中国などで特に珍重され、漢字表記での名付けが多いのも特徴。アジア系のマフィアに愛されたり、縁起の良い魚として華僑の人々にも人気がある。

大別すると金色に輝く種と、オレンジ色(赤だと言う人もいるが、ほとんどがあくまでオレンジ止まり)に輝く種がある。



金色系は「紅尾金龍」などと呼ばれる魚体側面のウロコが主に金色になる種と、側面だけでなく、背中の上まで全身金色に輝く「過背金龍」などがいて、コレに加えてウロコの付け根がさらにブルーに輝き出す藍底ウロコの個体になると恐ろしい金額で取引されたりする。

ただ、金色系は比較的どんな水質でも「金色」なので、特に紅尾金龍などは初心者でも比較的飼いやすく、美しく、人生を棒に振る事もない。





しかし「オレンジ」色にもかかわらず、それは「真紅」であると言い張る、あるいは願う、いやこれは「真っ赤な血のような龍」であるとそれこそ命を賭けて主張するオレンジ系のアジアアロワナはとにかく問題が多い。

最初は単に「オレンジ(いわゆるミカン色)」のアロワナだったものが、ライトの当り具合で「赤いアロワナがいる!」となり、さらに首狩り族で有名なカリマンタン島の奥地には本当に真紅の龍が実在する! と雑誌やショップで大盛り上がりの時期があった。


事実、ある華僑の飼育するアロワナは本当に限りなく「赤」であり、実在するのは確かなようだったが、残念ながらそのような遺伝子を持つ個体は日本国内にはほとんど輸入されていなかった。

しかも当時の日本国内では、単なる「オレンジ」個体とは言え、そこまで発色する個体は非常に珍しく、これに赤いライトで照らされたアロワナは恐ろしい程の迫力があり、値付けもとんでもないことになっていた。

軽自動車なら…3~4台は買えてしまうネダンと言えばその凶悪さは判るだろう。





…で。



赤いアロワナを飼育してみたい! となったわけだ。

しかしアジアアロワナは50センチ程度には大きく育つので、スペースも必要。機材や濾過器等にも金が掛かる。

問題は山積みだった。




それから半年くらい、関東近県のショップ、店員、マニアととにかく情報を集め続けていた時期があった。

自ら出した答えは、「赤くなる前の幼魚」を手に入れるしか無い! という結論。

すでに赤くなっている若魚や、成魚は恐ろしいネダンだ。

とても購入できるわけがない。


しかし幼魚なら、1万円程度で売られることもあったのだ(それも飛ぶように売れるので常に情報収集が必要だったが…)。

当時はネットなど無い時代。

果たして、血紅龍、辣椒紅龍などと呼ばれる真紅の宝石には会えたのだろうか…








編A

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